羊水検査

羊水検査というのをご存知でしょうか。

羊水というのは、妊娠した女性の子宮の中にたまってくるお水のことです。

羊水があることによって、お腹の赤ちゃんは常にお母さんのおなかの中に浮かんでいる状態になり、ある程度、自由に動きまわることができますし、お母さんのおなかに多少の衝撃が加わっても、それが胎児に直接伝わることがない、クッションのような働きをしています。

縁日の金魚すくいですくった金魚は水の入った袋に入れてもらって持ち帰りますが、あの袋にちょっとやそっとの衝撃を加えても、中の金魚が傷ついたり死んだりはしませんよね。

ああいった様子と同じで、羊水に守られた胎児は、多少の衝撃では健康に影響が出ることはない仕組みになっているのです。

また、羊水はお産のときにも大切な役目をします。出産前には陣痛が起こり、次第に子宮口が開いてきますが、何もない状態で簡単に赤ちゃんの頭が通るほど大きな通り道ができるわけではありません。

本当にギリギリのところを、赤ちゃんは頭蓋骨を縮めたり、体を回転させたりしながら命がけで出てくると言われています。

その赤ちゃんの出産をスムーズにするために、羊水は子宮が押し出そうとする力を赤ちゃんの体に伝える役目と、赤ちゃんのカラダとお母さんのカラダの間の潤滑オイルのような役目をしながら、新生児と一緒に体外へと排出されるのです。

それだけではなく、羊水は胎児の生命を維持するための重要な機能をいくつも兼ね備えたものです。

胎内の赤ちゃんは、羊水を飲んでいることが分かっています。
また、飲んだ羊水は赤ちゃんの腎臓で処理され、尿として再び羊水の中に排出されることになります。

同時に羊水の中には、赤ちゃんの皮膚の細胞などが剥がれ落ちて浮かんでいます。
羊水を採取して、赤ちゃんの細胞を回収し検査することを羊水検査と言います。

羊水検査では、採取した赤ちゃんの細胞を培養し、染色体を調べることでさまざまな染色体の異常をあらかじめ調べることができます。

羊水検査で調べられる染色体異常はいくつかありますが、一番有名なのはダウン症です。

これは染色体のうち21番目のものが異常を起こしているために起こる症状で、奇形や知能発達の遅れ、筋肉の異常といったことが見られます。

そのほか、トリソミー、モノソミーという、染色体の数が多かったり少なかったりする染色体異常についてはあらかじめ羊水検査により検査が可能とされます。

しかし、羊水検査には、異常があると分かった時点で堕胎する、といった判断が行われる危険性も含まれており、倫理上の問題から積極的に医師が妊婦やその家族に勧めてはいけないとされています。